供養の作法

菩提寺がない葬儀はどう頼む?宗派の確かめ方と葬儀後の法要・納骨

菩提寺がない葬儀はどう頼む?宗派の確かめ方と葬儀後の法要・納骨

葬儀の打ち合わせで「お寺はどちらですか」と聞かれ、答えに詰まる方がいます。菩提寺がない葬儀でも、お坊さんに読経や法号(戒名)をお願いすることはできます。迷いを減らすのは二つの手順です。まず家の宗派を確かめること。次に、葬儀を勤めてもらうお寺に、四十九日・納骨・年忌まで続けて相談できるかを最初に尋ねることです。

菩提寺がない葬儀は、誰にお坊さんを頼めばよい?

菩提寺(ぼだいじ)とは、家のお墓や先祖の供養を続けてお願いしているお寺のことです。菩提寺がない家が葬儀の読経をお願いする道は、一般に次の三つです。どれを選んでもお坊さんに送っていただけますが、葬儀のあとの法要や納骨まで同じお寺に頼めるかどうかで違いが出ます。

頼み先 始め方 葬儀のあとの法要・納骨 確かめたいこと
お寺に直接相談する 家の宗派か、希望する作法のお寺へ電話する 同じお寺に続けて相談しやすい 葬儀を勤めてもらえる条件、四十九日や納骨の相談先になるか
葬儀社から紹介を受ける 葬儀の打ち合わせで宗派を伝える 紹介先のお寺との関係は、依頼の仕方により異なる 紹介先の寺名・所在地・連絡先、葬儀後も相談できるか
親族と縁のあるお寺に頼む 本家や親戚のお寺に事情を伝える 遠方だと、法要のたびの移動が負担になることがある 宗派が同じか、離れて暮らす家の法要も受けてもらえるか

判断の基準は「葬儀の一日」ではなく「一周忌までの一年」で考えることです。葬儀を勤めたお坊さんが四十九日の法要も勤め、納骨のお経もあげると、法号や読経の作法が途中で変わらず、家族も同じ相手に相談を続けられます。

お坊さんに読経をお願いするのは、儀式の形を整えるためだけではありません。お経とともに故人を送ることで、家族は別れに区切りを付け、その後の供養を続ける入口を持てます。菩提寺がないことは、その入口をあきらめる理由にはなりません。

本当に菩提寺がない?宗派がわからない家の確かめ方

「うちに菩提寺はない」と思っていても、実家のお墓が寺院の墓地にある、祖父母の法事を同じお寺に頼んでいた、という家もあります。菩提寺があるのに知らずに別のお寺で葬儀をすると、あとで納骨や法号の扱いについて話し合いが必要になることがあります。葬儀の依頼先を決める前に、次の表に書き込みながら確かめてください。

確かめる場所 見る点 わかったこと(書き込み)
仏壇の中央 ご本尊が仏像か掛け軸か、書かれている文字 (      )
位牌 法号(戒名)の上に添えられた文字、裏や台座の寺名 (      )
過去帳 表紙や巻末の寺名、記入したお寺の印 (      )
家のお墓 墓石正面の文字、墓地を管理している寺院や霊園 (      )
法事の控え お布施の封筒の宛名、法要の案内状の差出人 (      )

位牌の文字はひとつの手がかりです。たとえば法号の上に「妙法」とあれば、一般に日蓮聖人の流れをくむ宗派で見られる書き方です。ただし同じ系統の中にも宗派や流派があるため、文字だけで決めず、寺名や親族の記憶と合わせて判断してください。

仏壇や位牌が手元にない家は、親族に次の四つを尋ねてください。

  1. 祖父母の葬儀や法事は、どちらのお寺にお願いしていましたか
  2. 本家や実家のお墓はどこにあり、いま管理しているのはどなたですか
  3. 故人は生前、宗派や送られ方について何か話していましたか
  4. 故人が生前に法号(戒名)を授かっていたことはありますか

答えが「わからない」でも書き残せば、お寺に「宗派は確認中で、ここまでは分かっています」と伝える材料になります。

宗派が分かったら、葬儀の頼み方はどう変わる?

確かめた結果によって、相談の進め方は次のように分かれます。

  • 宗派が分かり、その宗派で送りたい場合は、同じ宗派のお寺に直接相談するか、葬儀社に宗派を正確に伝えます
  • 法華宗など日蓮聖人の流れをくむ宗派だと分かった場合は、当寺へご相談いただけます。当寺(太平寺)は法華宗の寺院で、京都の本能寺を大本山としています。葬儀は当寺で行うことができ、法華宗の作法で住職が勤めます
  • ほかの宗派だった場合や、分からないままの場合に当寺で葬儀を勤められるかどうかは、お問い合わせください。分かっている手がかりをそのままお伝えいただければ十分です

ここで混同しやすいのが、当寺の「宗派不問」です。当寺は、これまでの宗派を問わず納骨を受け入れています。これは納骨の受け入れについての事実で、葬儀の宗派の条件とは別の話です。

法華宗の視点から見ると、葬儀は供養の始まりにあたります。一般に法華宗の葬儀では、お題目「南無妙法蓮華経」を唱えて故人を送り、法号を授けます。その法号が位牌や過去帳に記され、四十九日や年忌法要へとつながっていきます。読経の内容や作法の細部は、流派や寺院によって違いがあります。宗派の成り立ちは法華宗とは?日蓮宗との違い・本能寺の宗派・基本の言葉、法号の意味は法華宗の戒名・法号とは?名前の意味と授かる前に知りたい基礎知識で確かめられます。

菩提寺がない葬儀で起こりやすい失敗は?

困りごとは葬儀そのものより、その先の段取りで起こりがちです。

  1. 葬儀を勤めたお坊さんの寺名と連絡先を控えておらず、四十九日の法要を頼む先が分からなくなる
  2. 法号を授かったお寺と納骨先が別になり、位牌や過去帳への記入をどちらに頼むか聞きそびれる
  3. 葬儀のあとで親族の菩提寺が見つかり、納骨や法号の扱いを改めて相談することになる
  4. お布施を葬儀の分だけで考えてしまう。葬儀・法号・四十九日・納骨の読経をどうお包みするかは、地域や寺院により異なるため、最初に何が含まれるかを尋ねておく
  5. 納骨先を決めないまま一周忌を迎え、遺骨の行き先について家族の意見が分かれる

どれも、最初の電話で「その後もお願いできますか」と一言添えれば防ぎやすくなります。

葬儀から納骨・年忌まで、同じお寺に続けて相談するには?

同じお寺に続けて相談するときの流れを、時期ごとに並べます。法要の呼び方や時期の数え方は地域や寺院により異なるため、日程は依頼するお寺と決めてください。

時期 お寺にお願いすること 家族が用意すること
最初の相談 葬儀の読経と法号、その後の法要や納骨も相談できるか 故人の名前・生年月日・人柄のメモ、宗派を確かめた表
通夜・葬儀 読経、法号の授与 参列する親族への案内
初七日 読経(葬儀と同じ日に営むこともある) 葬儀の打ち合わせで日程を決めておく
四十九日 法要の読経、本位牌に替える際のお勤め 本位牌の用意、日程と会場
納骨 納骨のお経 火葬後に受け取る書類(名称や運用は自治体により異なる)、納骨先の申し込み
一周忌・三回忌 年忌法要 日程の相談、親族への連絡

進め方の手順は次のとおりです。

  1. 葬儀の相談の電話で、四十九日や納骨も続けて相談できるかを尋ねる
  2. 葬儀の席で、お坊さんの寺名・連絡先・法号を書いた紙を家族で一枚にまとめる
  3. 葬儀が終わって一週間ほどのうちに、四十九日の日程を連絡する
  4. 四十九日までに納骨先を決め、納骨を同じ日にするか後日にするかを相談する

四十九日に向けて決めることは四十九日の準備で決めることは?法要と納骨までの段取りをやさしく解説、一周忌のあとの数え方は年忌法要の数え方【早見表】一周忌の次は?三回忌・七回忌はいつで確かめられます。

葬儀後の納め先を、太平寺の選択肢に当てはめると?

菩提寺がない家は、葬儀のあとで納骨先も新たに探すことになります。当寺には次の納め先があり、これまでの宗派を問わず受け入れています。

家族の希望 当寺の選択肢 費用 確かめること
お墓を継ぐ人がいない、負担を少なくしたい 合祀墓「久遠」 30,000円(税込)、管理費0円 ほかの方と一緒に納めることに家族が納得しているか
しばらくは個別に納めたい 個別納骨「光明」(本堂横の納骨堂) 13年 100,000円/33年 200,000円。期間後は合祀墓に埋葬 13年と33年のどちらが家族の見通しに合うか
夫婦や家族で一緒に、木々のそばで眠りたい 境内の樹木葬(個別区画) お問い合わせください 一区画に納骨できる人数はお問い合わせください
家のお墓として受け継ぎたい 一般墓(太平寺サンライズガーデン墓地) お問い合わせください 継ぐ人と区画の条件

状況に当てはめた例を二つ挙げます。いずれも説明のための架空の例です。

たとえば、母を見送った一人っ子の方が、位牌の「妙法」の文字と親族の話から法華宗の家だと分かった場合です。葬儀から当寺に相談し、四十九日の法要に合わせて合祀墓「久遠」へ納骨すれば、葬儀から年忌まで同じお寺に続けてお願いする形になります。

たとえば、父の宗派が最後まで分からなかった場合です。葬儀を当寺で勤められるかはお問い合わせのうえで決め、納骨は宗派を問わないため、まず個別納骨「光明」の13年で個別に納め、その間に家族で今後を話し合う、という比べ方ができます。

納め方の全体の違いは供養のカタチを比較|合祀・個別・樹木葬・納骨堂・一般墓で見比べられます。

住職より

太平寺では「安らぎの灯火を灯し続ける」という言葉を大切に考えています。「感謝の気持ち」「供養したいと思う気持ち」これらを灯火のように先祖代々受け継いでいるのです。たとえ弱々しくてもこの灯火を灯し続けることに価値があるのです。

よくある質問

菩提寺がない家でも、お寺に直接葬儀をお願いできますか?

一般に、受け入れの条件は寺院ごとに異なります。当寺では、お寺で葬儀を行うことができ、法華宗の作法で住職が勤めます。ほかの宗派の家の葬儀を勤められるか、費用・会場の規模・参列人数・葬儀社との分担は、お問い合わせください。

宗派がわからないまま葬儀を迎えたら、どうすればよいですか?

「宗派は確認中」とお寺に伝え、仏壇や位牌、親族への質問で分かったことを書いた表を手元に置いて相談します。葬儀のあとで宗派が分かった場合の扱いは、葬儀を勤めたお寺に相談してください。

葬儀をお願いしたお寺の檀家になる必要がありますか?

檀家についての考え方は、寺院によって異なります。当寺での檀家の要否についてはお問い合わせください。葬儀のあとも法要や納骨を続けてお願いしたいかどうかを、あわせてお伝えいただくと相談が進みます。

葬儀と納骨を別のお寺にお願いしてもよいですか?

依頼先を分けることもできますが、その場合は納骨先に、授かった法号や位牌の扱いをあらかじめ確かめておきます。当寺の納骨は、これまでの宗派を問わず受け入れています。同じお寺にお願いすれば、法要の連絡先が一つにまとまります。

お布施はいくら用意すればよいですか?

お布施の額は地域や寺院により異なり、一律の目安はありません。葬儀・法号・四十九日・納骨の読経を、それぞれどうお包みするかを最初に尋ねておくと安心です。当寺の葬儀の費用については、お問い合わせください。

菩提寺がない葬儀と、その後の供養について太平寺へご相談ください

菩提寺がなく、葬儀のお坊さんや葬儀後の納骨先をどこに頼むか迷っている方は、分かっていることだけでもお知らせください。お電話では、例えば「菩提寺がなく、葬儀と四十九日・納骨の相談をしたい。宗派は[分かっている・確認中]です」とお伝えいただければ、相談のきっかけになります。

電話:06-6672-8891
受付:平日・土日祝 9:00-21:00
所在地:大阪市住吉区上住吉1-3-27
交通:南海高野線「住吉東」駅から徒歩7分

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